【ユイ体育館編】
体育館の中に入ると、着信音が大きく聞こえた。 “あった!” 体育館の隅に見慣れた携帯電話が落ちていた。 静まりかえった体育館の中に着信音が鳴り響く。 ユイは急いで携帯を持つと、番号を確かめずに電話に出た。 『もしもし・・・』 「・・・・・」 『もしもし・・?』 「・・・ユイちゃん?」 携帯の向こうから男の声がした。 『あの・・・どなた様ですか?』 携帯が見つかった安堵感からか、ユイは聞き覚えのない声に答えていた。 「俺だよ。」 『俺?』 「俺だよ。今からゲーム始めるから。」 『ゲーム?・・何の事ですか?・・・』 誰だか分からない相手からの話にユイは困惑した。 「ルールを話すからよく聞けよ。今から体育館の中に1人入る。そいつから1分間逃げ続けること。」 “・・・鬼ごっこ?“ ユイは何も言わず、ただ首を傾げた。 男は淡々と説明を続ける。 「簡単だろ?しかも、鬼を叩いたり蹴ったりしてもいい。」 さらによく分からないルールを言われ、ユイはただ黙っていた。 「でも、鬼は捕まえたら服を脱がしはじめるからね」 『えっ・・?』 ユイの顔色が一瞬で曇った。 そして咄嗟に体育館の入口の方を見た。 「大丈夫。逃げ切れば何もされないから。簡単な鬼ごっこだよ。」 『なっ・・何?』 ユイの言葉を無視して、男は話を続ける。 「10人の鬼から逃げ切れればユイちゃんの勝ち。捕まって裸にされたらユイちゃんの負けね。」 『やっ・・やだっ!やらないよっ』 焦って大声をあげるユイ。 「じゃぁ、鬼ごっこ始めるよ」 ガチャ・・・・・ 電話が切られる。 『ちょっと・・』 ユイは再び体育館の入口を見た。 “・・・・誰もいない。” 嫌な予感がしたユイは、体育館から出ようと入口の方向へと走りだした。 その時、入口から一人の男子生徒が入ってきた。 太股を撫でる手を掴み、必死で振り払うユイ・・・・・・ >>FC2ブログランキングへのご協力をお願いします☆ |
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[2010/03/13 21:38]
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